📝しくみで活きる創造性=技術×就労支援事業所_vol.1
📝しくみで活きる創造性=技術×就労支援事業所_vol.2 からのつづき
vol.3
福祉×クリエイティブ
1時間の作業後、10分の休憩。
スタッフさんも一息のあと、利用者さんにデザインや刺繍の相談なんかをしています。
話をきくことで深まる、福祉×クリエイティブ
わたしはここで、1人の女性スタッフの方からお話を聞くことができました。
🍀
わたし、以前は福祉関係とか全然関係ない仕事だったんです。
手仕事は好きで。こちらの作品は、イベントでみたことがあって。
そのあと、つとめていた職場をやめて、しばらくゆっくりしていて、そろそろ働こうってなったときに、こちらで募集していて。それで来たんですよ。
初めて来たときには、わたしもおどろいて。
開放的で本当にすてきな所だなと思って。
こちらの皆さんとは、デザイン案も含めてそれぞれご自分で工夫して創っていかれるんです。
刺し子の布って、硬いのもあるんです。
それで糸の太さや色をご自分で決めて。
なかなか刺しにくい布もあったりして…。それを長い時間、ひと針ひと針縫っていくのって、本当にすごいなと思います。
🍀
こんな布もあるんですよ。と見せてくださいました。
🍀みなさんが使う布。
こことは別に染めをされている方もいて、こうして自由な染めをされてここへ届けられるんです。
🍀この布に糸でさらに模様をつけていきます。
「あ、さっき素敵だねって見てた藍染のTシャツ、これもそうですか?」
🍀ええ、そうです。
染めた布に刺繍をしていくんですよ。
刺繍で終わり、じゃない。そこからさらに
「染め×刺繍」でも、かなりアートな布になる。
けども、まだそれだけでは終わらない。
広い作業台に刺繍がおわった布を持って、別の女性スタッフさんがやってきました。
重ねた布の束。
やおら…ザク!ジョキン!
問答無用で断ち切っていきます。
ええええええ?あんなにコツコツやったのに切っちゃうの?(わたしの心の声)
そして更に加工していきます。
あとで気が付きましたが、私の思い込みはここでもあって(本当に何様というか…)、
”利用者の方が頑張って作った ということ”に価値を置いていたんですよ。
商品として売れるためには、さらに加工して使えるものでないといけないのに。(考えればごくごく普通のことなのに)
人にお金を出させるって、本当に大変なコト。
ここには、利用者さんを福祉で支える私のようなの(増渕さん=福祉のプロ)がいて
職場をデザインするデザイナーさん(デザインのプロ)もいて
作った手仕事・作品が売れるようにする営業の方(売るプロ)もいます。
(増渕さん談・概略)
福祉。だけじゃない。けどそれが福祉になっている仕組み
ここはさらに、その経済的に回りながらも、
工房のスタッフさんと利用者さんとの関係がとてもフラットで
一見すると誰が利用者で誰がスタッフか分からない。
心地よく過ごせる工房であり、利用者さんにとって本当の意味で福祉的な場所なんだな、って感じられる場所。
わたしが訪問前、おろおろ事業所訪問について心配して知人(福祉系・グループホーム運営者)に相談したとき、頂いた言葉が思い起こされました。
『素晴らしい職人さんが数多く在籍する国内屈指の事業所ですので、健常者とかわらず(指導員、利用者とわず)すべての方々に敬意をもって接して撮影されてくださいませ。☺それだけで十分かと。いつも撮影のときに、そうされているのと同じです。』
本質を説いて頂いておりました。
うん、本当にそうでした。
商品にする前に試作したシャツ(左)・実際に商品化したシャツ(右)
そんな福祉×クリエイティブについて、運営会社の公式サイトでこんなことが書かれています。
常に障がい者福祉のあり方に疑問を投げかけ、社会的課題の解決に取り組み続ける
常に障がい者福祉のあり方に疑問を投げかけ、社会的課題の解決に取り組み続ける
💠通所している方の社会的自立を目指し、安心安全で皆が平等である居場所で在り続ける。
💠「障がいのある方が作ったから」だけでなく「良いもの」として購入して頂けるように細部まで拘った価値のある製品を作り続ける。
💠ブランド商談会や、自社展示会、ブランドコラボなど「福祉」の枠に捉われないチャレンジを全員が楽しみながらやり続ける。
もっと知られていいと思ったし、こういうことがもっと普通になれれば素敵だなと思います。
健常者の私たちと、障碍者の方々を区切って考えてしまいがちだけれど、
(『ついに答えを見つけたよ。なんと二者択一じゃなかったんだ。(中略)キャビアかフォアグラか とかすぐどっちかに決めたがるけど世の中 そんな単純じゃないだろ?』Ready Made HousingCM_by大和ハウス)
ホントこれ。つまりコレ。
わたしたち健康な人にも健康の度合いにグラデーションがあり、人柄や体の特徴も様々であるように、障がいを持つ方の得意や不得意、人柄や特徴にもゆったりとした幅がある。
・・・そんなことを思わされました。
特に今回は「就労継続支援 A型事業所」ということで、B型に比べて軽度な障がいを持つ方が通われる事業所だったというのもありました。
「こちらは週4日通うことを基本にしていますが、体調や精神的に通うのが難しくなることがある人もいらっしゃいます。
そのときは体調と相談しながら通所の日数を調整したり、在宅で作業をしていただく等して、対応させていただいています」
(増渕さん談)
今回、来て本当に良かったです。
以前、アートを事業所の活動にしている所があるとニュース等で知ってはいたものの、私のなかのリアルなイメージは古い固まった捉え方だったな、と思わされました。
地元に、こんなに身近な場所に、こんな素敵で素晴らしいチャレンジをしている所があることが知れたことも。
もっと、ちゃんと見て感じることが大切だなと思えたことも。
@ソメっち さん、ご縁をくださって、本当にありがとうございました。
一緒に行ってくださった@まーちゃん お人柄に癒されて、内心緊張してた私は助かってました。ご一緒してくれて、ありがとうございました!
いやしかし、一周まわって地元にご縁ができるの、ほんと凄いな。
(まさか写真繋がりで原宿から宇都宮に縁が出来るなんてねぇ…)
追記
あわせてぜひ読んでくださいね
📍訪問してみたい方がいれば、日程要相談(主に私の都合がアレなんで…)ですがアテンドさせて頂きます!〔平日10時~12時&13時~15時〕
ぜひ知っていただきたいと思います。
どうぞ遠慮なくご相談ください。
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