千年の時を経て、今を生きるオリーブの大樹。
長い年月の中でどんな風景を見て、呼吸を繰り返してきたのかと思うと、遥かに想像がつかない。
スペイン・アンダルシア地方から10,000kmの海を越えて、この地にやってきたそう。
この「樹齢千年のオリーヴ大樹」がシンボルツリーとして愛されている”千年オリーブテラス for your wellness ”は、瀬戸内の穏やかな海を望む小豆島で、オリーブで心と体がととのうウェルネスガーデン。
”The STAY”ではオリーブのある暮らしに泊まる体験ができる。
オリーブの森を抜けて案内されたお部屋は、「Mission(ミッション)」
ミッションというのは、オリーブの品種名。
足を踏み入れた瞬間に、身体のスイッチが「ゆっくりモード」に切り替わっていく。
香り、光、温もり。自然と心がほぐれていく空間。
ソファに座りながら、風の音に触れると心がどんどんほどけていく。
泊まった後にこのソファを買いたいというお客様も多くいるとか。
とても、とてもよくわかる。
テラスに出てみると目の前に広がるのは、瀬戸内の穏やかな海。
風の音と海の匂いにただ身を委ねていく時間が、心地よい。
香りからもみるみる五感が解放されるのを感じて、オリーブのアロマバスソルトが欲しくなった。
お部屋で心が緩んだあとは、学びの時間へ。
オリーブオイルの力に触れる「オリーブオイルテイスティング体験」を私たちは体験することに。
日本のオリーブの歴史は、安土桃山時代に初めて日本に渡ってきたのだけど、時を経て本格的な栽培は1908年からスタート。
鹿児島、三重、香川(小豆島)にて試験栽培が始まり、成功したのは小豆島だけだったとか。
歴史だけではなく、オリーブがもたらす叡智について、千年オリーブテラスの柳生智英子さんが優しい語りかけで教えてくれる時間は、とても豊かな体験だった。
なんといっても、忘れられないのがオリーブのテイスティング体験。
体温で温めて、香りを確かめながら口に3種類のオリーブオイルを含んでみる。
味や香り、喉越しがこんなにもそれぞれ違うなんて、驚きだ。
小豆島から帰ってから、オリーブオイルを買う目線も変わった気がする。
オリーブにはきっと日々をととのえる力があるんだろうな。 翌朝は、お部屋で炊く小豆島で採れたお米で始まる朝を迎えた。
炊飯器ではおそらく出ないであろうこのみずみずしさと、何よりも甘さ。
色んな種類のおかずをたくさん食べれるのも幸せだけど、お米とお味噌汁と付け合わせで
何も足さなくても満たされていくひととき。
”The STAY”で人気のオリーブオイルかけご飯を試してみると、想像をはるかに超えてきた相性の良さ!
自社農園のオリーブオイルは口あたりがやさしく、味わい深い。
これ、ほんと買えばよかったと後悔したよね。
オリーブの力に触れて、感じたことがある。
それは、すべての物事は循環していて、流れに身を委ねることが大切だということ。
時に逆らいたくなる日常もすべて、大きな流れの中の一つだということ。
エントランスを出たところには、次の千年に続く小さな新芽がすくすくと育っていた。
そして今を生き続けるオリーブの大樹は、これからもたくさんの旅人を包んでくれる。
千年先を私は生きられないけど、幾つもの物語を見届けてくれるこの木に、また会いに行きたい。
※普段は解放されていないですが、撮影のため特別に入らせていただきました。ありがとうございます。
⚫︎千年オリーブテラス