3月最後の土曜日。
気づいたら、約30kmの距離を歩いていました。

いや、気づいたら、というよりは、最初から歩く覚悟を持って出発したのですが。

でも、自分で歩く30kmは、
地図で見る30kmとも、電車の窓から見る30kmとも、まったく違っていました。

ひとりで歩いた30km。その道中には未知の世界が広がっていました。


JR奈良駅からスタート!


今回の徒歩旅は、鉄道の沿線を歩くぞ、というテーマで始めました。

記念すべき初回に選んだのは、JR桜井線。
JR奈良駅から出発して、桜井駅を目指して歩きました。

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→→→👟→→→    京終(きょうばて)駅


最初に見えてきた駅は、レトロな外観の京終駅。
小さいカフェも併設されていて、身も心もほっと一息できそうな駅でした。

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→→→👟→→→    帯解(おびとけ)駅


さらに進み、昔ながらの木造住宅が並んでいる地域を抜けていきます。

バイクですれ違おうとしたおっちゃん2人がひとことだけ会話して、それぞれの方向に去っていった、その光景が印象的でした。

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安産祈願で有名な帯解寺を過ぎると、まもなく帯解駅に到着。

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→→→👟→→→    櫟本(いちのもと)駅


奈良市に別れを告げ、旅の舞台は天理市へ。
歩くリズムができてきて、気持ちよく歩いていたらあっという間に櫟本駅に着いてしまいました。

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→→→👟→→→    天理(てんり)駅


宗教都市として有名な天理市。
市の中心部である天理駅に近づくにつれ、独特の雰囲気が漂ってきました。


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駅前ではイベントが開催されていて、学生さんたちが吹奏楽でSEKAI NO OWARIの「最高到達点」などを演奏していました。
お客さんもたくさん集まって拍手を送っていたので、私も少しだけ混ざって鑑賞させてもらいました。

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キッチンカーも出店していたので、ゆずはちみつソーダを購入しひとやすみすることに。
疲れた身体に、しゅわしゅわの炭酸がよく沁みます。

キッチンカーの店員さんがとっても優しい雰囲気で、心までひとやすみできました。

4月末にここでまた別のイベントをやるから、よかったら来てね、とチラシをいただきました。行きたいなぁ。


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→→→👟→→→    長柄(ながら)駅


天理に着いた時点でけっこう足に疲労が溜まっていたので、この先に進むか一瞬迷ったのですが、私はとーっても諦めの悪い人間なので、結論は「歩く」一択でした。

旅はさらに続きます。

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天理駅の郊外を抜け、天理教の面影がなくなって以降は、ひたすら田園風景の中を進んでいきます。

長柄駅のあたりは桜はまだ咲いていなかったものの、春の空気感が漂っていました。

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→→→👟→→→    柳本(やなぎもと)駅


長柄駅を過ぎた頃から、足の裏に痛みが出てきました。

周囲に田畑しかなかったり、広い道のすみっこを歩いたりしていて、なかなか進んでいることを実感しづらい要素がそろっていたこともあり、
歩いても歩いても身体が前に進んでいない感覚で、気持ちもしんどくなってきました。

天理で終わりにしなかった自分を内心ちょっと恨みつつ、でもここまで来たら引き返せない、となんとか一歩ずつ足を運びました。

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→→→👟→→→    巻向(まきむく)駅


柳本駅の前でヤンキーのように座り込んで少し休憩したものの、足の痛みは消えません。
桜井駅まで本当にたどり着けるのか、不安がよぎりました。

行くか、辞めるか。

どれだけ考えてもやっぱり私の中に辞める選択肢はなく、再び歩き始めました。

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歩いている人もほぼおらず、孤独感と不安でいっぱいでした。
柳本駅から巻向駅までの40分くらいが、この日いちばんしんどい時間だった気がします。

後から知ったけど、この区間で天理市から桜井市に入ったようです。
余裕はなかったものの、なんとか到着することができました。

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→→→👟→→→    三輪(みわ)駅


桜井駅まで、あと2駅。
次の三輪駅まで行けば精神的にかなり楽になるだろうと信じ、再び進みます。

住宅街の狭い道が出てきたことで、前に進んでいる感覚も戻ってきて、少しだけほっとしました。

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しばらく歩いていると、目の前に突然、大きな鳥居が現れました。
大神神社(おおみわじんじゃ)の大鳥居。

壮大で、なのに、どこか落ち着くような外観。

そびえたつ大鳥居を見たとき、諦めないで歩いてきてよかった、今日はこの光景に出会うために来たんだな、と胸がいっぱいになりました。

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この大鳥居を過ぎると、あちこちに駐車場があり、大神神社の参拝客でにぎわっていました。

人をかき分け歩いていると、
「おねーちゃん!食べていかん?」と、露店のおばちゃんが草餅の試食を渡してくれました。

試食をいただいた後に1つ購入し、その場で焼いてもらいました。

あたたかい草餅の、よもぎの風味。中に入っていた甘いあんこ。
疲れ切った身体にエネルギーを吹き込んでくれるような、優しい味でした。

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心身ともに回復した感覚があり、これはいけるという自信も湧いてきました。


自信があるときの私は強い。それは私がいちばん知っています。


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→→→👟→→→    桜井(さくらい)駅


さて、いよいよラスト1駅。

最後は「いける!」という強い気持ちから足も軽くなり、スピードも上がって気持ちよく歩けました。

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次第に、塾が入ったビルや小さな会社のオフィスが立ち並ぶようになり、桜井駅の駅舎が見えてきました。

あんなにもしんどかったのに、いざゴールが近づくと、
もう終わっちゃうの?まだ終わりたくないな、なんて思ってしまいます。

最後の数百メートルは、一瞬で過ぎていきました。

ついに、桜井駅に到着しました!

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歩いた先にみえたもの


どんな場所もどんな道も、誰かにとっては日常であり思い出であり特別な場所なんだな、ということ。

私にとっては、初めて歩く(そしてもしかしたらもう二度と通らない)ただのアスファルトでも、
誰かにとっては、通学路だったり、家族と歩いた思い出の道だったり、もしかしたら何かのきっかけになった場所だったりするわけです。

その場所にどんな物語があったのか、あるいはありそうか。
そういう想像は、「歩く」ことでしかできないなと感じました。

「知らない土地をただ歩く」という一見すると意味のない無謀な行動には、近所の散歩とも旅行とも違う、世界を知る手掛かりがたくさん散らばっていました。

気合いや根性だけではない、なにか新しい考えや気づきを得られた気がします。


徒歩旅とは。
自分の足で、未知の自分に出会うこと、かな。

そんなことを考えた30kmでした。



(余談)実は、スタート地点は平城山駅だった!


当初の計画では、JR奈良駅ではなく、平城山(ならやま)駅からスタートする予定でした。

しかし、平城山駅周辺の道路に歩道がなく、歩いて奈良駅に向かうのは危ないと判断し電車でワープしました(笑)

わざわざ平城山駅周辺も少し歩いていたので、写真だけここで掲載させてください!

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